僥倖

 決戦販売なんてのを生業にして、

 それを長く続けることができるのは、

 滅多にいない。




 したがって我々の業界は、

 後継がほとんど育たず、

 実働している人型決戦販売兵器のほとんどは、

 旧型もいいとこの、

 ロートルで占められている。




 決戦販売兵器には、

 主として2種類の型があり、

 前者は「 仕事に慣れる 」ことで、

 それをルーチンワークにし、

 精神的負担の軽減を図り、

 心身の磨耗と劣化を遅延させることで、

 戦線に立ち続ける手合いであり、

 後者は、

 どれほど経験をつんでも、

 「 数字の裏 」にあるドラマに焦点があたる性分から、

 日々、

 胃の痛みと戦いながら、

 腕を振るい続ける、

 手合いである。





 小生は、後者だ。




 どんな現場でも、

 胃の痛みを覚えることなく、

 その場に立ったことは無い。




 今日は、売れるのか。

 今日は、獲れるのか。

 今日は、ちゃんと働けるのか。

 胃がしくしくと痛む。



 漠然とした不安とは別の、

 セメントの不安が、

 常にある。



 魂を削りながらでないと、

 小生は、

 胸を張って、

 金を受け取ることができない。





















 たまに、

 ごくごくたまに、

 「 妥当性 」という枠を超えて、

 成果を上げることが、

 できる日が、

 ある。




 規格外の大戦果という奴だ。




 作戦に携わったもののすべてと、

 実態を知るもののすべてが、

 異口同音に、

 ひとえに唸る、

 圧倒的勝利である。





 今日、

 小生は、

 事実上、

 店舗に存在する、

 在庫のすべてを、

 売り切った。





 予測された数字の、

 4倍に迫る、

 結果だった。




















 喉をからして、売ったのだ。


































 





















 今日だけは、

 誇っていいぞと、

 自分に言った。










 







 お前は、

 本当に、

 よくやった。
 
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by 201V1 | 2005-11-28 22:44 | カテゴライズ前・生ログ
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