ワレ禁煙ニ成功セリ

 という次第で、

 小生は、

 禁煙に成功した。



 さよなら、エコーである。



 18で煙草を覚え、

 21歳で禁煙し、

 23歳で再開し、

 28目前の先日まで、

 通産で8年ぐらい、

 毎日50本ほど、

 国内最重量級の煙草たちを、

 思い切り肺まで入れてきた。





 朝の一服と、

 食後の一服が、

 好きだった。





 最初に覚えたのは、

 ケニアに留学し、

 ナイロビでの暮らしを始めた頃で、

 「クラウン」という、

 オレンジ色のパッケージに、

 変な冠の鳥のイラストが書かれた煙草が、

 18才の穀潰しの、

 フェイバレットシガーだった。





 放浪という、

 ライフスタイル上、

 国も変われば、

 煙草も変わり、

 20歳で帰国する頃には、

 親しんだ煙草の銘柄は、

 旅した国を上回る数に上っていて、

 15をゆうに超えていた。

 そのうちのいくつかの銘柄は、

 名前とデザインと味を、

 今も覚えている。




 帰国して、

 日本で使い始めた銘柄は、

 ラッキーストライク、

 ピース、

 ハイライトを経て、

 最後にエコーに落ち着いた。





 値段はピンきりだが、

 そのいずれもが、

 タール・ニコチン共に、

 楽勝で2桁に乗るヘビー級の猛者たちだった。






 止める為に、

 ニコパッチの導入を採用したが、

 どういうわけか、

 張った場所がカユイだけで、

 あまり「 禁煙に伴う苦痛の緩和 」に効果があるように感じれず、

 結局5日ほど使った後は、

 「 しゃらくせえ 」ってんで、

 意志力のみでの禁煙に移った。






 既にその時期は去ったが、

 まぁ、

 物凄い、

 禁断症状であった。




 
 サーカスに、

 球状の金網の内部を、

 数台のバイクが走り回る、

 馬鹿無双のスタントがあるが、

 禁煙初期、

 小生の頭蓋の内部はまさにそれで、

 脳味噌が幻のバイクたちに蹂躙され、

 騒音が木霊し、

 思考は纏まらず、

 そのベクトルはネガティブな方へと引っ張られ、

 手前味噌ながら、

 ナカナカの地獄だったと言える。





 
 1日40~50本、

 肺まで思い切り送り込んできた、

 ヘビー級のスモッグ達への、

 小生の依存度は、

 初めて禁煙した23の時とは、

 比較にならないくらい、

 重くなっていたのである。

 






 依存性の人間が、

 任意の科学物質の供給を断たれた場合、

 離脱症状として現れるもろもろの、

 まいっちんぐな次第、

 一般でいう「 禁断症状 」は、

 「 愛する者を失った時、強襲してくる錯乱 」に、

 良く似る。






 正確をきすために言い換えると、

 愛する者を失った時、

 我々が襲われる「 ある種のパニック 」は、

 生理学的に観ると、

 多幸感を与える物質の供給が断たれた結果による、

 禁断症状なんである。

 

 
 その意味で、

 酒や、

 煙草や、

 麻薬や、

 買い物や、

 仕事など、

 依存性が高いすべてを、

 我々は、

 「好き」を通り越して、

 「愛」しているわけだ。

 化学的に。






 ケミカルなラブである。

 だので、

 薬物依存との戦いに勝利するには、

 やはり、

 相当の苦痛が伴う。





 まじで、きつかった。




 
 煙草を吸うのを我慢するのは、

 それほど苦痛を伴わずとも、

 混乱と鬱の大波が過ぎるのを、

 錯乱という名の嵐の中で耐えるのに、

 相当に気力を消耗した。







 今はもう、

 他人の吸う煙の匂いを嗅ぐのも嫌だし、

 衣服についた煙の匂いも駄目だし、

 とにかく煙草が嫌という、

 素敵な状態まで漕ぎ着けたが、

 まあ、

 なんつうか、

 よくここまで至ったと、

 我が事ながら、

 信じられん。







 














 ナチュラルラブが、

 ケミカルラブを駆逐した、

 ちょっといい、

 体験であった。








 どっこい、

 人は、

 化学なんぞに、

 負けたりしない。






 脳は、

 化学に屈しても、

 心は、

 魂のものである。





 
 






 

 

 錯乱との戦いは、

 実は、

 かなり好きな種類の戦闘なんだが、

 今回はナカナカの強敵であった。




 なにせ、

 都合8年もかけて育ててきた敵である。



 
 
 いい試合であった。





 またいつか、

 来世で。




 さらばだ。

 エコー。









































  今まで、

  いつも、

  ありがとう。
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by 201V1 | 2006-01-20 23:16 | カテゴライズ前・生ログ
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