さて、 小生、 振り返っても前を向いても、 後にも先にも金輪際、 果たして何の抵抗もなく、 ともだち と、 呼べる誰かは、 どうやらとても少ない様である。 知人はまぁ、 最近までの因果な人生の分、 胡散臭い過去の分、 豪快な選択の分、 目鱈に多い方なんであろう。 ただし実際には、 その知人の大部分というか、 ほぼまるごと全部とは、 年単位はおろか、 オリンピック単位で音信不通なため、 あくまで既知の人という意味での知人であり、 かつての彼・彼女の、 いい加減な生活状況や、 血の巡りの具合・神経の鈍磨の程度などは、 断片的に記憶していても、 現在連中がどうなってるのかは、 全くもってシランジュラであり、 そう考えてみると、 真っ只今の彼等は、 やおら知人とは呼べず、 ナニフヨ? という世界であり、 ナニフヨ はスワヒリ語で「 誰だ、てめえ? 」の意味であり、 もはやスワヒリ語なんぞこのフレーズくらいしか覚えていないが、 要するに、 小生にとっての過去の知人とは、 邂逅と遭遇を除いて、 まぁ、 そんな無礼千万の対象にすぎず、 最早どこにいったかすら定かではない、 高校の卒業アルバムみたいな感じなわけである。 興味ナッシングなわけだ。要は。(どかん 小生にとっての、 知人とは、 そういう感慨をもってしても、 語る傍から忘却の彼方に飛んでいく相手であり、 袖振り合うも何かの縁などというゴタクは、 ハナから馬の耳に茶釜であり、 人脈は金脈に続くなんて格言はどうやら本当だが、 そんなもんが真実なら貧乏も甘んじ、 甘んじてタタキ(強盗)を俺はやる。 こういう、 手前勝手な人格が災いし、 当然普通では大事にするべき人脈というものも、 小生にはこれを、 要所要所で、 転機転機で、 全霊で断ち切らんとする傾向があるため、 30を目前にしてこの様、 リンク切れの曲霊みたいな有様なわけだが、 人間にゃあ性分というものがあるんであり、 小生はそういうのが趣味なんである。 重要なのは、 そういう人間にすら、 ともだち というのが、 いて、 かつ必要だという点であろう。 ここ数年、 久しく自己分析を怠っていたが、 小生が、 かような、 ある種の人間不信に凝り固まって有頂天な経緯は、 どう考えても高校時代のアレがあるわけで、 小生は、 この惑星の知人という知人に対し、 人間的な何かをわずかでも期待するという心理が、 まるでねえのが、 冷静に自分を見つめてみて俄然歴然であり、 誇張なしに、 数多の知人が明日の朝刊に、 連続誘拐殺人犯とかで同時に掲載されても、 無衝撃の中、 「 人間だからな 」の一言で、 総括が済む手前の姿がありありと目に浮かぶ。 人間的な何かを知人に微塵も期待しないことで、 裏切られたと感じる切欠を塞ぎ、 傷つく要因と、 傷つけられる糸口を、 この世界から予めすべて取り除いておくことが、 弱ったら最後瞬く間に仕留められる環境で思春期を生きた、 小生が身につけた最初の処世術であり、 それはいつしか基本戦術を通り越し、 行動原理の中にすら組み込まれる。 で、 この今があるわけで、 小生には、 あの北国で共に冬を越した仲間たちにでさえ、 仲間以上の呼称で呼ぶことに、 弱くねえ抵抗がある。 ともだち とは何か? 自分の心に聞いてみて、 考察と推敲の対象として、 興味深い質問というのは、 ありそうでないものだが、 小生とっては、 この、 「 ともだち 」とは何か? という問は、 大変興味深いもんだといえる。 自分が、 如何に世界を信じていたか、 信じようとしたかが、 鮮明に思い出されるからである。 小生にとって、 ともだちとは、 こいつになら、 こいつらになら、 後ろから刺されても無様じゃねえと、 漠然と思える相手である。 そいつのいる世界が好きなら。 そいつに刺されて世界が終わっても、 満足がそこには、 あるはずだからだ。 信じるとは、 自分は裏切ぎられるかもしれないという気持ちを誤魔化すことでもなく、 彼は裏切らないと心から思えることを指すのでもない。 そんなもんは欺瞞だし、 甘ったれのいうことである。 覚悟が足らねえ。 ともだちとは、 裏切るか、 裏切らないか、 信じられるか、 信じられないか、 そんな瑣末な違いで決まるのではなく、 たとえ彼らすら、 自分を裏切る世界であっても、 彼の存在することを選んだその事実だけで、 世界を祝福できる、 そんな相手を、 ともだちと、 僕たちは、呼ぶのだ。 紛い物だらけの世の中の僅かに確かなもののひとつとして。 背中は空けとく。 いつかまた。 ともだちよ。 君らに会えてよかった。
by 201V1
| 2007-02-08 00:17
| カテゴライズ前・生ログ
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