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隣人は魔女


というわけで、

彼女に初めて会ったのは、6月7日の階段だった。



全体会議直前になって、

アニマルランド時代からの上司・火渡が、

「鰐口、三脚どこだ!」とか、

突如言い出し、

エレベーター待ちが死ぬほど嫌いな小生は、

1階から4階まで猛ダッシュしていたわけだが、(どんな30歳ですか)

螺旋階段を絶対運命黙示録を熱唱しつつ駆け上がっていると、

「4」の標識の前に、

そこに彼女はいたのである。






全身を黒衣で包んだ女性。

螺旋階段で会えるという、

伝説の薔薇の花嫁がそこにいた。







小生が、

「こんにちわ」と、

同じビルに勤める者の礼儀として、

挨拶をすると、

彼女は会釈とかろうじて判別できるだけ、

わずかに頭を下げたようだった。






小生が用事があるのは三脚であって、

螺旋の魔女とかはもうこの際、

ジンバブエの未来と同じくらいどうでもいい沙汰であり、

なんだったら死んでくれてもかもわない具合だったので、

この突然の遭遇に関して小生は、

ネグレクト&ゴーのコマンドを選択し、

一路三脚を目指した。




1階で火渡と合流後、

小生は思った。













不審者じゃね!?(おせえよ)









かつては、

あらゆる黒いのの夜道での待ち伏せを、

事前察知する野生の勘の鋭さから、

「ケニヤッタアベニューのバリ5の虎」と恐れられた小生も、

血ダルマ時代から12年、

暗黒時代から10年、

社畜時代から5年、

雪だるま時代から3年がたった今、

大分に神経が鈍磨してきているらしく、

「異常」に対する反応速度に甚大な遅延が見られるようで、

彼女の遭遇に妙な違和感を感じ取ったことに気が付いたのは、

三脚確保の要件が完遂されたあとであった。





しかしながら流石は魔女である。






急ぎ戻って、

ビルを隈なく流しても、

一向、

影も形も見当たらないわけであり、

見事まかれた感が強い。








「火渡総統。小生、魔女狩り失敗しました」





「鰐口よぉー、その人、このビルで働いてる人なんじゃね?」





「かもしれませんが、小生の六感は、奴を敵と感知識別しております」









確かにあの魔女は、

浮浪者・無宿者・ホームレス・乞食に共通するスペック、

「刺激臭」の項目においては見事に一般人に擬態しているといえるが、

てゆーかホノカニ香水の匂いすらしたが、

あのかすかに双肩から立ち上る「駄目人間フェスティバル感」は、

疑いようもなく、

社会不適合万歳街道驀進中の個体特有のもんであり、

絶対にルンペンである。









かくして小生の魔女狩は、

「一生の不覚」からスタートしたのであった。









それからというものの、

小生は、

再び薔薇の花嫁を補足すべく、

来る日も来る日も、

階段ダッシュをやったんである。(腿痛え)










で、今日、

小生は、

もう、

暑くて死にそうだったのと、

明日ニホンサルを売りに、

早起きして江戸川に行かなければならない関係で、

やや弱気であり、

エレベーターがちょうど2階(小生が単独で所属するサル班のフロア)に止まっていたので、

つい4階(火渡の万年仮眠フロア)に用事伺い行くのに、

階段をパスったんである。(折れた心)









するとである。

ドアがあいたその先の、

エレベーターBOXの中に、

奴はいたんである。










この前と、まったく同じ衣装で。(ルンペンフラグ確定)









エレベーターBOXの中に入り、

実家(伊賀百地)に伝わる秘伝「浮き透かしの眼」で、

黒目を動かさずにフロアボタンを見ると、

すでに4階のボタンが点灯しており、

魔女の行き先はどうやら4階の様で、

4階には火渡の仮眠所と馬骨系中小企業のオフィスがあるだけであり、

その馬骨系がモデル事務所の端くれである以上は、

年増の魔女の出る幕はないわけで、

その不自然さはガメラの飛行方法に迫るものがある。







が、

小生は、

確信を得るために一旦火渡仮眠所のドアを開け、

中に入って5秒待ち、

またドアを開けて廊下にでたわけだが、

魔女は今まさにエレベーターに乗らんとしており、

行き先を見極めたところ一階である。






1階から4階にエレベッた後、

何もせずに4階から1階にエレベる訳はズバリ。





「奴は何かを目的に4階に来たが機会を改める選択を採った」んであり、

それは4階に「奴に用事が生じる何か」が存在する事を示唆しているんであり、

要するに4階に鍵はあるんである。

で、可能性として一番怪しいのは共有スペース出るトイレである。





社内で聞き込みを行ったところ、

同僚によれば、

「トイレのパイプスペースにでかいトランクがある」とのことで、

見てみると、

どーみても旅行用の巨大なガラガラトランクが入っており、

ここが奴の巣のようで、

控え目に言って、

ガッツ住んでる!感が爆発である。






小生は、

自然落下を超える速度で階段を駆け下り、

魔女が隣のビルに逃げ込むのを確認したあと、

110番してオマワリを呼んだ。





「ルンペン・トイレ・スンデマス!」







続く。
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by 201V1 | 2008-06-16 21:57