10年間、ずうっと自分を騙し続けてきた。 打ち抜かれればダメージを確実に食らう急所を隠してきた。 心の中に、人が誰しも持っている、不安や動揺という感情の核となる部分。 小生はずっとこの存在を自分にすら隠して生きてきた。 不安や動揺が恐ろしいからだ。 心の一部を凍らせて生きてきた。 それらが外部からの圧力で熱せられ、不安と動揺が訪れそうになる度に、 怒りと憎悪で自分を真っ赤に塗りつぶしてきた。 そうやって、ずっと難題を片つけてきた。 それでこそ、抗う人間と自負していた。 不安と動揺から逃れる、1番カンタンな方法なだけなのに。 でもね、自分を愛してくれている人と向き合うときに、これじゃ何も生まないんだよ。 小生は、そうやって1番大事なものを、失った。 人は皆、不安や動揺と戦いながら生きている。 それぞれの抱える「囚われ」や「妄執」から、独立をかけて戦っている。 自由を勝ち取ろうともがいてる。 自分を愛してくれている人が、独立をかけて、不安や動揺と戦っている時、 小生は、いつも理不尽な現実への怒りと憎悪に満ちた目で、 愛してくれている人を苦しませている葛藤を、一刀のもとに切り捨てた。 断じることで、相手に納得させようとした。 けっしてその人と一緒に不安や動揺と戦おうとしなかった。 恐ろしかったからだ。 不安と動揺が。 臆病者だった。 小生には、不安や動揺のなかで、答えを見つけ探し出す勇気がなかった。 だからいつも、愛する人を孤独にしてしまった。 人の不安や動揺を引き起こす因子は、人それぞれに違う。 その不安や動揺は、その人にとって起き得ないものではなく、確実に起きえるものである。 個人の、不安や動揺を「 そこで迷うのはおかしい 」と断じることは、大きな間違いだ。 小生は、この間違いをずっと繰り返してきた。 人の不安と動揺には、ちゃんと背景がある。 そしてその背景は、他人には容易に分からない。 大切なのは、その人を想うなら、その人に想われているならば、 その人が不安や動揺と戦っている時、 ちゃんと、その人の不安や動揺と、その人と一緒に戦うことなのだ。 それが本人にしか戦えない種類のものだったとしても、僕たちは横にいることはできる。 それができない時、我々は想い人をどこまでも孤独にしてしまう。 小生は、不安や動揺が怖かった。 ひるむと身に危険の及ぶ、埒外な少年時代を送ったからである。 だからいつも、怒りと憎悪で不安と動揺を強引に塗りつぶしてきた。 他人に不安や動揺を知らせないように、自分すら欺いてきた。 それができないとき、慣れてないから人より余計に動転する。 だからさらに不安と動揺を恐れた。 自分の敵と戦う時は、アナガチこれも悪い戦法ではないかもしれない。 なかなか負けずに済むからだ。 ツケは平安を勝ち取ったあとでゆっくり払えばいい。 だがね、不安や動揺と戦う想い人の傍にいるとき、 傍に寄り添う人間がとるスタンスのうち、 この戦法ほどの取り返しの効かない悪手はない。 それは想い人に孤独しか与えない。 小生は、そんなことも知らなかった。 ヘタクソにしか彼女のことを愛せなかった。 君と一緒に歩きたかったと思う。 それが叶わなかったのは、小生が不安と動揺を極度に恐れたからだ。 彼女はとても孤独だっただろう。 小生は、臆病者だった。 だからいつも抜き身の剣を振り回した。 あの日、不安と動揺を恐れずに共に戦う勇気があったらと思う。 今日、あの日に戻れればどんなにいいかと思う。 誰かと共に生きるということは、 その人の不安と動揺を肯定するところから始まる。 不安と動揺には必ずちゃんと背景がある。 その背景は、その人の意思とは関係なく、まわりの環境がつくったものだ。 不安と動揺には確固とした理由がある。 だれにもそれを自分の勝手に断じることなんかできない。 人は「 それぞれ 」ではあるが「 孤独 」ではないと思う。 「 別 」かもしれないが「 ひとり 」ではないのだ。 誰かが自分の不安と動揺を肯定するなら、ひとは共に生きるスタートに立てる。 傍に彼女を愛する人間がいることを知らせることができる。 孤独でないことを、伝える術が小生にはあったのだ。 君の傍に、ずっと一緒にいたかったのに。 今日、あの日に戻れれば。 いつか、君の傍にいれたなら、どんなにいいかと思う。 どんなに幸せだろうと思う。 歩けなかった道を、歩けたらと思う。 君と出会ったから知ったこと。君と出会って思い出したこと。 人と共に生きる為のささやかな勇気。 君がいなかったら、小生はずっと、人と共に生きれなかった。 君が孤独から救ってくれた。 今日、彼女に心からの感謝を送る。 出会ってくれて、ありがとう。
by 201V1
| 2004-06-10 01:39
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作戦名は夫婦×艦隊、戦区は母乳戦線、ターゲットは乳飲み子です。
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